第25回『模試は実力試しに受けるものではない!?』

世間ではいよいよ2学期もスタートし、中間テストが終わった頃ではないでしょうか。稲門高等学院では、後期授業(2学期制)が始まったところです。

これまでこつこつと勉強に取り組んできた人たちにとっては、徐々に勉強の成果が表れ始める時期になります。そこで、多くの皆さんが模試を活用すると思うのですが、模試を受ける本当の意味を皆さんはお分かりですか。

当校にも、毎年いるのですが、どうしても模試を受けたがらない生徒がいます。

彼らの言い分はこうです。

「まだ、実力がついていないから意味がない」とか、「受けてもショックを受けるだけだから嫌だ」とか、「お金がもったいない」など…(笑)。

気持ちは分かります。それを否定するつもりはありません。ただ、模試を受ける真意は、そこにはありません。

では、模試を受ける意味とは…

『非日常という試験会場で、見知らぬ人たちと一緒に、限られた試験時間内で、時間配分を意識しながら、問題を解く(アウトプットをする)訓練の場』
ということです。

ちょっとわかりにくいので、一つ一つ解説していきます。

まず、試験会場ですが、通い慣れた学校や家よりも、本番を想定した公開会場に受けに行く方が好ましいと言えます。落ち着いて問題と向き合える慣れた場所よりも、心臓バクバク、気持ちもソワソワ、集中しにくい心理状態になりがちな本番に近い条件下で受けられるということに意味があります。

次に、周りを見渡してみてください。知らない人たちばかりですよね。そういった状況の中で、試験問題に取り組むというのも、やはり、簡単なことではなく、気が散り、集中するのが難しいといえるでしょう。そこがミソです。

つまり、あえて緊張感のある、落ち着かない心理状態の中で受けるということをしてみるのです。

皆さん、次のような経験はありませんか。家に帰って、模試を解き直してみると、いともあっさり解けたという経験。試験会場では、手も足も出ない問題だったはずなのに…。(笑)
では、次に、試験時間に関してですが、普段の勉強の中では、直前期でもない限り、あまり時間を意識することはないかもしれません。しかし、試験は通常60~90分という中で、比較的ボリュームのある問題数を解いていくことが要求されます。つまり、模試や本番の試験では、時間に余裕がありません。

その余裕がない中であっても効率的に問題を解いていくためには、模試の場数を踏むと同時に、大問や設問ごとに、時間配分を決め、それを意識しながら、問題を解いていくトレーニングが必要です。

また、試験問題は、単に知識を問われるものだけではありません。むしろ、多くの問題はそれまで身につけた様々な知識を総動員し、色々な可能性を考えながら解いていく力が求められます。そこで、これまでに挙げた条件や心理状態の中で問題を解くという訓練を通じて、解く勘が養われ、また、問題の出題パターンによって効率的な解法を身につけられるのです。

模試を受ける本当の意味とは、実力試しでも何でもなく、心理的にも時間的にも余裕のない状況下においても、意識を集中し、確実に問題を解いていくための力を養う訓練の場であるということです。ですから、今後は、このことを頭に入れた上で、模試をうまく活用していただきたいと思います。
次回は、別の観点から、模試を受けるメリットをお話したいと思います。

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