第29回『直前期の効果的な勉強方法』

早いもので、受験シーズンとなり、早いところでは、もうすでに入試が始まっています。受験生の皆さん、ここまでよく頑張りましたね。あともう少しの辛抱です。

もうここまできたら、じたばたしても仕方ありません。覚悟を決めて、試験に臨んでもらえたらと思います。そこで、皆さんが、この時期に、考えるべきことは、『どうしたら本番で力を出し切れるのか』ということです。

そのために、これまでの『総復習』をすることがベストです。ある意味、当たり前のことではありますが、生徒達を見ていると、意外とそれが徹底されていないような印象を受けます。

この時期に、新しいテキストに手を出すのはお勧めできません。なぜならば、皆さんは、目の前に本番を迎え、ただでさえ、焦りや不安な気持ちでいっぱいだというのに、さらに、新しいテキストを使うことで、これまで学習をしていない事柄に出合う度に、その焦りや不安さがいっそう助長されかねないからです。これも知らない、あれも知らない・・・、このままで、本当に合格できるのだろうかと、ますます、自信を失い、不安になっていくことでしょう。それでは、勉強に集中できず、身が入りません。

この時期は、新しい知識を入れるのではなく、これまで地道にこなしてきたテキストの総復習をすることが望ましいのです。徹底的に繰り返し、最終的には、「あっ、これと似た問題が、何ページの右下に書いてあったな」と瞬時に思い浮かぶぐらい反復できれば、万全です。

よく生徒から、テキストを繰り返すと、答えを覚えてしまうから意味がないといわれることがありますが、それはそれで問題ありません。答えを覚えてもいいのです。ただ、重要なのは、そこで終わるのではなく、その答えに至るプロセスや考え方(解説)を頭に叩き込むということなのです。例えば、英文法であれば、解説に加えて、その例文を覚えてしまうくらい反復できれば完璧です。ただ答えを覚えて、それで終わりにしてしまうだけでは、それこそ何の意味もありません。

入試本番は、緊張のあまり頭が真っ白になる人もいるかもしれません。そんな不安定な心理状態の中でも、しっかりと答えを導き出せるようにするには、知識を確実にしておくことが必要なのです。そのために、反復学習して、知識を定着させます。

直前期には、新しいことには手を出さないのが鉄則ですが、すでにある程度の学力があり、問題を解く勘を鈍らせないために、過去問や実戦形式の新しいテキストを利用するというのは、言うまでもなく、非常に効果的な学習になります。

直前期の受験生にありがちなことですが、例えば、歴史などの暗記物に追われ、それまで、好調をキープしてきた科目には、ほとんど手をつけず、いや、つけられないといったことがあります。そこで、いざ本番となった時に、しばらくのブランクにより、問題を解く勘が鈍り、それまでは当たり前にできていたことができなくなってしまったという話はよくあります。できる科目だからといって、過信してほとんど手をつけないというのは危険です。毎日とは言わないまでも、定期的に触れておくことが大切です。

まとめると、直前期は、『総復習』に尽きます。徹底的に、テキストを仕上げることだけに意識を集中してください。同じものを繰り返すということは、飽きとの闘いでもあり、心理的にしんどい面もありますが、内容に関しては、定着事項が増えていくことで、進められるスピードも速くなっていきますので、楽に取り組めるようになっていくと思います。

結果はともかく、これまで学習したことをすべて出し切り、最後までやり遂げたという達成感を持って、受験生活を締めくくってほしいと思います。試験は水物といいます。何が起こるかわかりません。大切なことは、ベストを尽くし、出し切るということです。皆さんの健闘を祈っています。

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