第10回 『急がば回れ』

稲門高等学院では月に1回、「総合学習」という時間があります。

この「総合学習」とは、正式には「総合的学習の時間」といい、『子供達が自ら学び、考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力などを育むこと』を狙いとして実施されている学習活動のことです。

この「総合学習」には、教科書がありません。地域の特色を活かした授業やボランティア活動、自然体験活動、社会体験活動、国際理解・英会話学習等々、様々な体験学習を行っています。

つい先日は、朝日新聞東京本社の見学に行ってきました。 全国紙の本社屋だけあって、その建物は想像していた以上に大きく、立派なものでした。

皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、超高層ビルに代表されるような大きな建物を建てる際、一番神経を使い、また、時間を掛ける箇所は、「土台の部分」だそうです。「土台の部分」には、なんと工期の半分以上の時間を費やすとのこと。言うまでもなく、しっかりとした土台を作らないと、その上にどんな建造物を建てたところで、崩れてきたり、傾いたり、歪んだりするのです。

勉強も同じです。目指している大学のレベルが高いからと言って、難しいことばっかりやろうとしても、基礎学力がまだ定着していない間は、うまく積み上がらないのです。でも、当の本人は、難しいことをうんうんと唸りながら取り組んでいるので、なんとなく勉強した気になっていたりするのですが、それでは、“真の学力”を身に付けることはできないのです。

学院の英語担当のある先生は、「英語の基本は『中学英語』にある!」をモットーに、しつこいくらい、徹底的に中学レベルの英語の習得にこだわります。「中学レベルなんか・・・」といって、バカにする生徒がたまにいますが、英語は、単語や熟語に留まらず、文法などにおいても、中学レベルの基本事項が広く大学入試に反映される教科です。『中学英語』をおろそかにして、『高校英語』は覚えられません。

他の教科にも言えることですが、基本分野を軽視して、難しいことをいくらやろうとしても、真の学力は身につかないということを肝に銘じておいてください。周りに優秀な友達がいればいるほど、陥りやすい落とし穴です。何事も、焦りを感じ、不安に押しつぶされそうなときほど、『急がば回れ』で、基礎・基本に立ち返ってください。土台が完成すれば、あとは驚くほど速く積み重ねていくことができます。

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