第24回『受験神話にだまされるな、当たり前のことを当たり前に!』

いよいよ、長い夏休みも終わり、新学期を迎える時期となりました。この夏休みは、講習や補講を利用して、とことんがんばった人もいれば、やるつもりだったのに、結果として、思うように勉強が進まなかった人もいるかもしれません。しかし、終わってしまったことは仕方がないことなので、ここで気持ちを切り替えていきましょう。その後悔をバネにかえ、更なる飛躍を目指していけばいいのです。「夏休み明けは、本当にまずいと思った。でも、そこから、気合を入れ直し、怒涛の巻き返しを図った結果、志望校に合格できた。もしあの時に、真剣になれなかったら、落ちていたと思う。だから、かえってよかった」ということになるかもしれません。人は落ちるところまで落ち、大きな挫折や失敗をして初めて、眠っている潜在的な力が発揮されるのです。夏休みに勉強ができなかった人は、ここで、ギアをトップに入れればいいだけのことです。

さて、勉強で大切なことは2つあります。キーワードは、「反復」と「基本」です。まず、「反復」ですが、知識を定着させるには、世にいう記憶力の良し悪しは関係ありません。知識を定着させるカギは回数です。つまり、どれだけ繰り返すことができたか?ということです。 世間一般には、「先生、英単語が中々覚えられないのですけど、どうしたらいいですか?」といった質問はよくあるとは思うのですが、「単語帳は何回繰り返したの?」と尋ねると、「ざっと一通りやっただけです」とか、「まだ一通りやっていません」という回答が戻ってきたりします。つまり、ほとんど反復されていないのです。それでは覚えられません。では、どうしたらいいのか。それは、例えば、コマ切れの5~10分をうまく利用するのです。暇を見つけては、繰り返し目を通す(書く、声に出す、ぶつぶつ言うなど)、これに尽きます。机に向かって、構えてやるよりも、勉強と勉強の合間、移動時間、お風呂やトイレの中(笑)など、工夫してみてください。驚くほど、コマ切れの時間が見つかり、繰り返すことができます。ちなみに、稲門高等学院では、音読を通じて覚える「ボイスサーキット」という手法で英単語を習得しています。一切、スペルを書かず、ひたすら読むだけなので、生徒からは、楽に覚えられると好評を得ています。

そして、もう一つのポイントは、「基本」、つまり、「基本事項の重要性」です。有名大学や難関大学を受験するからといって、また、受験までに時間がないからといって、基本的なことが定着していないにもかかわらず、いたずらに難しい問題ばかり解いて、自己満足している生徒を目にすることがあります。気持ちは分かります。というのは、有名大学や難関大学の入試問題というのは、基礎・標準レベルの問題よりも、いわゆる難しい問題が多く出題され、その出来で合否が決まるという認識をもっているからではないでしょうか。確かに、そういった傾向はあります。では、逆に、難しい問題が解けないと合格できないのでしょうか。答えは、NOです。実は、難関大学でさえ、基礎・標準問題を完答できるだけで、十分合格最低点に達するところも少なくありません。例えば、平均点が120点のセンター試験に関しても、正答率が50%以上の問題だけをすべて正解するだけで、170点(85%)取れるというデータもあります。難しい問題が解けないと、難関大学には合格できないという受験神話にだまされることなく、また、どのレベルの大学を目指そうと、しっかりと、基礎・標準レベルの問題を確実に解ける基礎学力をまず身につけることが合格への最短距離になります。

夏が明けたことで、次第に、焦る気持ちも日増しに大きくなってきたかもしれませんが、基本的なことを徹底的に繰り返すことだけに意識を集中し、勉強を進めてほしいと思います。
Don’t rush. Believe yourself. Keep on studying!!

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